発射された9ミリパラベラム弾は、セダンのフロントガラスに命中!

ガラス窓に蜘蛛の巣のような罅割れが広がる。

「クリスさん!アンタ何て事を!」

運転しながら進藤が叫ぶ。

「アンタ警察だろうが!相手は民間人だぞ!」

「違う」

クリスは車内の進藤に視線を送った。

「割り切れと言った筈だ。相手は中毒者…もう化け物同然と化している…」

人殺しが善か悪かなど、ここで論じずとも分かっている。

だが撃たなければ。

既に相手は、警告や威嚇射撃が通用する相手ではなくなっているのだ。