軽装甲機動車は頑丈とはいえ、追突されたその衝撃に、乗っていた進藤とクリスは大きく体を揺さぶられる。

「何だ?」

ルームミラー越しに後ろの車を見る進藤。

見れば、ナンバープレートのない廃車寸前のセダンが、猛スピードでこちらを追いかけて来ていた。

距離が詰まる度に、何度も何度も追突してくる。

その運転席に座っているのは、先程のあの女。

声こそ聞こえないものの、運転席で狂ったように笑っているのが見て取れた。