「ねぇ、なんで転勤なんてそんな簡単にOKしちゃったの!?お父さんのバカッ!!」


「なっ……!親に向かってバカとはなんだ!それに……普通、会社の上司に逆らえる訳がないだろう。結菜には悪いけど、これはもう決まってしまったことなんだよ」

そんなぁ……。

あたしは1人、うなだれる。


「あたし、英語がすっごく苦手だから、遠い異国の地でやっていける自信なんて……ない」


「大丈夫よ。毎日アメリカで暮らしていたら、そのうち結菜も驚くぐらい英語がペラペラになっちゃうわよ」

そうかなぁ……?


「それに、心配しなくても結菜ならきっと、アメリカの学校でもうまくやっていけるわよ。ねっ?」


はっ!そうだ、学校!!

あたしの隣に座っていたお母さんの言葉で、あたしは大事なことを思い出した。