「あたし、中1の頃から週に何度かお母さんのお手伝いしてたから、家事全般はだいたいできるし。料理だって作れるから、大丈夫だよ」

こう見えてあたし、料理はけっこう得意なんだよね。


「そうだなぁ。確かに結菜の作る料理はうまいし、結菜は歳のわりにはしっかりしてるから、まぁ大丈夫か。

1人暮らし……やってみるか?」


「えっ、いいの!?お父さん」


「ああ」


「やったぁ!」



「……良いわけないでしょ?」


……!!


「何が『1人暮らしやってみるか?』よ。あなたはいつも結菜に甘いのよっ!」


あたしの隣に座っていたお母さんのほうに目をやると、普段は穏やかなお母さんが、珍しく怒っていた。