寝れない…。そう気づいたのは夜中の1時。ベットがないのだ!布団も持ってないし、てか、布団持ってたらおかしいでしょ。どうしよ。僕は眠れないまま一夜をこのくくくくくく、蜘蛛様がいるところで過ごすのかっ?!い、嫌だァーー!!
三十秒考え込んで、はたと気づいた。そういえば、あの猫脚テーブルの上に蝋燭とマッチがあったよね?それを使って…!!
スゥ…と静かに扉を開ける。まあ、静かもなにも普通に開けても音は全くならないんだけどね。横の猫脚テーブルの上にある箱の中からマッチを一本取り出す。箱の横にあるヤスリみたいなやつにマッチ棒をシュッとひねる。ボウと火がつき、蝋燭にうつす。えーと、火を消すか。シュッ、とふた振りぐらいすると、火は消えた。このマッチどうしよっか。うーん、箱に入れとくか。
…何となくマッチ箱はポケットにしまって、僕は蝋燭片手に夜のお城を歩き始めた。