ふと、目覚めたキッカケは、甘い薔薇の匂いと、キツイ煙草の匂い……。
「ここは…?」
そういって周りを見渡すと、情輝様と目が合った。虹色の…綺麗な瞳……。
それを見た瞬間。色んなことが目まぐるしく頭の中に回る。あ、そうだ!僕は確か、紫色のシュワシュワしたものを飲んでしまって、それから感情が…で、いろんな事ぶちまけて、そのあと、気持ち悪くなって…気づいたら……。
「…起きたのか?」フゥ…。情輝様は、パイプを燻らせて、そう言った。
ああ。この匂いだ。甘い薔薇の匂いとキツイ煙草の匂い……。情輝様の匂い……。
「は、はい…迷惑かけてすみません…。」
思い出した記憶で 、自分が暴走してしまったったことに謝る。
「フゥ……別に。人間の本性というのは、
そういう物なのだと知っている。」
「………。」
なんとなく、それを聞いて情輝様を絶望させてしまったのではないかと思って、罪悪感が胸にモヤモヤと広がるのと同時に、何故そんなに人間のことを信用してくれないのだろう。と疑問もわく。