ー雨が降っている。

大きな硝子の窓には、ポツポツという雨音がきこえる。

それを静かに見ている小さな少女が居た。
豪華なお姫様ベッドに、大きなレースの羽根布団にくるまっている少女は、全く似合わないような、パイプを燻らせていた。
ふぅ…。と、パイプから口をはずし息を吐くと、高い天井に細い煙が立ちのぼる…。
「きた……。」
少女が、ポツリと呟いた。
すると、魔法がかかったように、サァーとあの大粒の雨粒が春雨のような雨になった。
今にも晴れそうだ。
「ふぅー…」
少女はまた、パイプを燻らせて、豪華なお姫様ベッドから下りた。

これから、運命が動き出す…。