8月、久しぶりの過ごしやすい日だった。 台風でもないのに、強く降る雨。 補習で学校へ登校していた私の半袖のシャツでは少し肌寒かった。 「…ごめん。雨で聞こえない。」 私は目の前に立つ愛する人にそう告げた。 強がりだった、聞こえない訳がなかった。 頭が、鼻の奥が熱い。 心臓がうるさい。 確かに聞こえた「もう会えない」という言葉。