身支度をしてる間、頭の中を駆け巡るのは彼氏交換の事ばかり。
次第に頭がズキズキと痛くなってきた。

いっそのこと、悠真と今日クリスマスデートをしたい。


「お待たせ」


身支度を終えた私が、リビングにいるお姉ちゃんに声をかけた。


「じゃあ、行こうか!
美莉亜ちゃんはどこに行きたい?」


「お姉ちゃん、ねぇ、お姉ちゃん!」


お姉ちゃんは私の問いに何も答えなかった。
それ以前に、そっぽを向いて少し悲しい顔をしている。


「私は、私は彼氏交換なんてしたくない」


「美莉亜ちゃん、どうしたの?そんな怖い顔して」


「ごめんなさい、優介くん…
やっぱり私、彼氏交換なんか無理なんです」


「今更何言ってんの?」


そう言った優介くんが私の腕を掴んで、外に連れ出した。


外に出た瞬間、私の大好きな悠真と遭遇する。
悠真は驚きもせずに、こっちに向かってきた。

私はハッと我に返り、優介の掴んでた手を跳ね避ける。


「悠真、これは違うの
あのね…」


「・・・。」


「悠真?ねぇ、待ってよ」


「今日は彼氏交換の日だろ?
美莉亜はそいつとデートするのが約束
俺は美莉亜の姉ちゃんとデートするから!

それじゃあ」


悠真はそう言い残し、私の横を通りすぎて行った。


悠真、何か怒った顔してる。


「美莉亜ちゃん、そういうことみたいだし、今日は俺とデート楽しもうよ?ね?」


「私、水族館行きたい!」


気付けば自分の口から、思いもよらない事を口にしていた。


悠真に仕返ししてるつもりだろうか…。


次第に自分に腹が立ち、何だか悲しくなってきた。



悠真・・・


ねぇ、行かないで。
私の傍にいて…。