あの秘密の送別会から数日後、クリスマスイブの日がとうとうやって来た。
あの送別会に篠塚蓮は結局来なかったけど、元気にしてるらしい。

今日はお姉ちゃんとデートの日!
デートというか、久しぶりに帰ってくるお父さんへのプレゼントを買うだけなんだけどね!


「美莉亜、そろそろプレゼント買いに行くよ?
準備出来たのー?」


「えーっ、待ってよ!もうすぐで終わるから」


一階から私の部屋まで、お姉ちゃんの声が響き渡ってる。
今日はクリスマスイブだから、デパートでクッキー貰えるとかで、早く行きたいらしい!

そのクッキーを配る人が、なんと!イケメン料理研究家。


料理好きの人には堪らないよね。


急いで身支度を終えた私は一階に降り、お姉ちゃんと合流した。


「美莉亜!もうほんっと遅いんだから!
200名先着なんだよ?
まったく」


「ごめん、遅くて…
でもまだ9時だし!大丈夫だって!」


「美莉亜の言葉なんか当てに出来ない
その美莉亜の言葉で、どれだけ振り回されたことか…
未だに蓮くんに会えないし、しばらく俳優を休業ってどういうこと!?」


「それは謝るよ
でも篠塚くんが決めたことなんだし、おとなしく見守ってあげたら?」


「そうよ、お姉ちゃん
それより二人とも早く行かないと!
美味しいご飯作って待ってるからね♪気を付けてね!」


お母さんの言葉で我に返ったお姉ちゃん。
本当は姉妹で喧嘩する気なんて全くない。


お姉ちゃんがわざと言ってるだけであって、話合わせるのも結構大変。

実は篠塚蓮の事は、数日前にお姉ちゃんに打ち明けたんだ・・・


お姉ちゃんは口に手を当て、すごくビックリしていたけど
『美莉亜は余程運が良いんだね!』

って、私を怒りもせずそう言ってくれた。

その瞬間、さすが私の自慢のお姉ちゃんだと思ったんだ!



「お母さん、じゃあ行ってくるね!」
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい」


お母さんに手を振り、家から車で20分の所にあるデパートを目指した。


これでもお姉ちゃん、車の免許持ってるんだよ!