「誰か食べたんじゃねぇーのか?」


不意を付くようにリュウが言う。


「それなら仕方ないですね…
ポッキーゲームは諦めて、楽しい内に二次会に移りましょうか!」


藤木くんの司会が、一次会の終わりを締め括ろうとしていた。


「では一次会を終わりたいと思います!片付けは忘れず各自楽しくやりましょー!
ちなみにこのゲームできっと分かったと思うので、ペアの話は以下省略で、皆が素敵な恋を出来ますように

この藤木が応援してます」


藤木くんの手を叩く合図で、各自片付けを始めた。
きっと藤木くん、私がポッキーを食べたことに気づいてる。



でもそれを皆に言わなかったのって、本来の藤木くんに戻ったからだよね…?




片付けを各自で終え、ドレス姿から制服に着替えた。
片付いて何もなくなった教室を見ると、さっきまで楽しんでたあの光景が目にやきつく。
夕暮れになった校門が、何だか懐かしい気分に陥る。



夏海先生だけが、旦那さんとの用事で参加しなかった二次会のカラオケ。


皆楽しそうに楽器を鳴らしながら歌ったり、踊ったりして楽しかった。

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、二次会も終わりを告げる。


受付に着くと、皆割り勘しながら支払った。


カラオケ屋を出ると、少し肌寒く頬を掠めた。
その時、一枚のポスターに目移りする。


それは…恋叶広場でやるイベントのポスター。
前に悠真とカラオケ屋に来たより、ポスターが増えている。


もうすぐなんだね。


高まった気持ちのまま、皆と途中まで歩き家に帰宅した。