「悠真!今日は夏海先生の送別会だねっ!
悠真や夏海先生のこと、早く驚かしたいなー」


靴箱で上靴に履き替えながら、悠真に問い掛ける。


「何で俺も?」


「それは、終業式が終わってからのお楽しみ♪」



悠真は楽しみを示すように、一気にハイテンションになった。
悠真の口元は緩み、ニヤニヤしてる。

よっぽど嬉しかったのかな。


実は今日…夏海先生の送別会と、悠真の退院祝いをすることになったんだ。


それと藤木くんが考えたゲームもあるらしいから、すごく楽しみ!!!



教室に入ると、生徒がいつもよりガヤガヤしている。
冬休み前だから気が緩むのは、当たり前なんだけどね…。


チャイムが鳴り、先生が教室に入ってくる。


「今日の予定は1・2時間目が終業式で、3時間目が総合だ!
皆最後まで気を緩まないように!

日直ー」


それから私の終業式の幕が開けた。


1、2時間目は終業式で、3時間目がプリントの返却や課題プリントの配布。


1・2時間目の終業式なんか、校長先生の話があまりにも長すぎて、話を聞いていない生徒や、話が頭に入っていない生徒や、居眠り、お喋りしている生徒が多々いた。

その都度、先生にこっぴどく注意されている。


生活の規則はもううるさいくらい聞いてるし、プリントには目を通してる。



私は終業式が終わるにつれ、ますます楽しみが強まってきた。






少なくとも、あの出来事が起こるまでは…。