「美莉亜、どうかした?」


「ううん、何でもないよ!
それよりたこ焼き一口ちょうだい?」


「もう仕方ないな~
はーい!あーん」


明日香に声をかけられ、私は咄嗟に我に返る。
私の言った言葉に見かねた明日香は、ニコニコと微笑みながらも、私にたこ焼きをあーんしてくれた。


「う~ん!!やっぱりたこ焼きは美味しいね!
ボーノボーノ」


「もう美莉亜ったら、口に付いてるよ?」


「え!嘘?取って取って~」


明日香はまるで私のお母さん的な存在。

とても優しくて、温かくて、明日香は将来素敵な奥さんになるよ。


明日香が私の口に付いたタレをティッシュで拭ってくれている時

一瞬…
その光景を楽しそうに見ていた藤木くんと目が合った。

藤木くんは私と目が合うと、ぷいっと視線を逸らし、作業に取り組んでいる。



そんなに私と目が合うと気まずいのかな…。


「ミリーって、本当におっちょこちょいだよな!」


「リュウに言われたくないし~」


「俺もやってみようかな…
そしたらゆずき取ってくれる?」


「えーどうしよっかな~」