帰る支度を終えた藤木くんと一緒に、玄関を出る。
お母さんは"また遊びに来てね~!"と、友達感覚で言っているし…。


玄関を出ると白い雪がポツポツと積もっていて、その雪は足跡が残るくらい淡雪として降り積もっていた。

やけに手が冷たい。


「ねぇ藤木くん…
さっきお母さんに何言われたの?」


「そ、それは
ミルクに言っても分かんないだろうね…

人を幸せにするってこと

ミルクは家族や友達や悠真に愛されてるもんなー
ミルクは誰かを幸せにしたことないだろ?」



藤木くんはまるで雪のように、冷たい眼差しになった。

話し方も何だか素っ気なく、さっきまでの優しかった藤木くんとはまるで別人・・・



藤木くんが何を考えているのか、本当に分からないよ。