「分かったよ、ふんっ
美莉亜なんかもう知らない」


急に子供みたいに駄々をこね、私とは違う方向へそっぽを向いた悠真。

分かった振りしちゃって…
本当に悠真が何考えてるのか分かんない。

分かりたくても、分かんないんだよ。
それが現実だから。


「いい加減にしなよ!
子供みたいにねちねちと駄々こねてさー
自分が今、どんな立場にいるか分かってる?
悠真は今…病人なんだよ?

病人なんだから、ちゃんと安静にしてなくちゃ駄目だって私は言ってるの!

悠真のことを大切に思ってるから、私は今怒ってるんだよ?

私の気持ち、分かってよ…」


「もうそのくらいにしてください!
あまり刺激しないでください!まだ病院に着くまで予断が許されない状態なんです

だから今は彼をそっとして置くべきです
もうすぐ病院に着きますから

彼女さんの気持ちも分からなくないですが、それはまた改めてお二人で話し合うべきだと僕は思います!」


「すいませんでした
救急車の中で大きな声を出したりしちゃって…
そうですよね!救急隊員さんの言う通りだと思います!

ありがとうございました」


「いえいえ、僕は…」



救急隊員の言葉が胸に熱く響いた。

あんなに熱心に私達の事を考えて話してくれるなんて。

私、救急隊員に迷惑かけちゃったな・・・

恥ずかしい。


悠真は救急隊員の言葉をどう受け取ったんだろう。



救急車の中で、自分のことしか考えていない私は、ただのバカ(精神的不安定)の人にしか思われてないのかなぁ…


でも私は、ちゃんと悠真に分かって欲しかったの。

悠真にあまり無理して欲しくなかったから。


それも全て分かっている救急隊員すごい!!!