そんな風に、目を瞑って未来を見ている気分に陥っていたら…

悠真は私の腕を現実に戻すみたいに、ちょんちょん と引っ張ってきた。

私が目をそっと開けると、そこには不思議そうな顔をしている悠真がいる。


「美莉亜、何考えてたんだ?」



「うーん、そうだな~
自分がおばあちゃんになった頃の姿を、脳裏に思い浮かべてたかな…」


「ふーん、そっか
じゃあ、そこにはおじいちゃんになった俺はいないの?」


「いないよ!悠真は…」


「なら、美莉亜はどんなおばあちゃんになってたんだ?」


さっきから質問攻めの悠真…

もしかして悠真も、私と同じことを思い浮かべてたのかな?



「さっきから質問攻めだね

シワが増え、髪も薄くなってたし、身長も縮んでかなり年老いてた

でも肌はつやつやだったかな」


「自分で言うなよ!
それは恋してるからだろ?

おじいちゃんおばあちゃんになっても、お前は俺に恋してんだよ!
正直に言え!俺に惚れてんだろ?」


「病人が言うことじゃないでしょー!
今は喋らないで安静にしててよ」



悠真はまだ予断が許されないのに、どうして刺されている人があんなに元気なの!?