悠真が携帯をズボンのポケットから取り出すと、カメラモードに切り替え、私の肩を抱いてきた。


「街の背景をバックにして撮るから、逆向かなきゃな!」


そう言った悠真の言葉を訊いた私は、街の背景をお尻にして、後ろを向く。


「じゃあ、いくぞー!
はい、チーズ!!」


悠真は写真を撮る前に合言葉を言うと、携帯のカメラのシャッターを押した。

カシャカシャカシャカシャカシャカシャ


と、フラッシュとともに…何故か連写している悠真・・・


本当に自撮り撮るの得意なの?って 思わず訊きたくなる。



「ねぇ、上手く撮れた?」


私がそう問い訪ねると、悠真はしかめっ面の顔をして、急に黙り込んだ。


「ねぇ、悠真どうしたの?」


「俺がピースして笑ってることに感激したんだ…

俺って、こんなに楽しく笑えてたんだなって、そう思うと嬉しくなった」


「悠真は私といるとき、いつも幸せそうに笑ってるじゃん!

たまに私に意地悪するけど………」


「それは美莉亜が可愛いからだよ?」


下を俯いて、頬を紅潮させながら言った悠真の声…

ちゃんと私に届いてたよ。

でも何回言われても嬉しいから、業と聞こえていない振りをしちゃったんだ。

でも悠真、私が業とにもう一回訊いたって 気づいてる。


「えっ?もう一回言って?」


「もう言わねぇよ!一回しか言わないって、決めてるからさ…」


「ケチー!!」


「ケチケチ言うな!しつこい」


「あぁー!悠真怒った~」


「怒ってねぇし!」



"怒ってねぇし!"と そう反対した悠真は、私の頬を両手で優しくつねっては、頬を揉んできた。


「肌つるつるだな!
ぷにぷにしてる

ぷにー」


しまいには私の頬を、柔らかいからなのかツンツンしてくる。


「今さら気づいたのー!?
遅いよ、もう…」


私も悠真の頬を負けじとツンツンする。


触った感触が…
男なのに、肌が女みたいに綺麗で柔らかい悠真…


だから唇も柔らかいんだ~



体は筋肉質で肌は綺麗だし、唇は柔らかいし、身長も高くてスタイルいいし、顔もイケメンで誰にでも優しいし・・・






一体、どこをどう組み合わせれば、悠真が完成するの…?