「悠真、本当にありがとう!
悠真は何でも出来ちゃうんだね」


私の言った言葉を聞いた悠真は、一瞬肩を落とし、ハッと息を漏らしては、視線を右斜め下に下ろした。

悠真、どうしたんだろう…

私と目を合わせないようにしてる。



「でも俺にだって苦手なことくらいあるさ…
恋愛とか・・・

そんなことより、今日は俺に用があって来たんだろ?

まずは、何で俺がここにいることが分かったんだ!?
探偵でも雇ったのか?
それか、美莉亜が俺を尾行したとか?

ちゃんと答えてくれるまで、今日は帰さない!

俺は怒って美莉亜に言ってるんじゃない!
美莉亜が何かに巻き込まれていないか、心配で言ってるんだ!」



すると…
悠真は何かを訴えかけるように私の肩を掴むと、少し怒りっぽく、私を問い詰めてきた。


それは本当に私のことを、心から心配してくれている証。


私が何かに巻き込まれたら、悠真がすぐに助けに来てくれるって 私は信じてるよ!


悠真にも苦手なことあったんだ。
それが恋愛だったなんて、その気持ち分からなくもない。


それより、悠真が本気で私を心配して、私を怒る仕草初めて見た。


怒られるのって…
正直ドキドキするし、怖い。


何言われるんだろうって 頭の中はそればかり。



でも今は、そういう感情じゃない。



本気で私を心配してくれている悠真がいて、私嬉しかった。



悠真が私を心配して怒っている時…

こんなこと言っていいのかな?俺…

みたいに、安易な表情じゃなかったよ。



もう頭の中が一杯一杯で、きっと、他のことを整理できなくて、今考えつかなかったんだと思う。