「何か篠塚くんって意外だよねー
でもありがとう!」


私が篠塚蓮に向かって、少し照れくさそうになりながらもそう呟くと、篠塚蓮は不思議そうに笑みを浮かべた。

何だか今の篠塚蓮は、どこか悲しく、必死に笑おうとしているから、ぎこちなく見れるよ・・・


何かあったのかな?悠真の話をしてからずっと、何だか変。



私がもっと強く篠塚蓮に問い詰めていたら、こんな悲しいことは起こらなかったのかもしれない。



「意外って何だよー?
俺をそんな目で見てたのか?でもありがとな
悠真のこととか、本当に色々とありがと」


篠塚蓮が私にお礼を言った!?

私にお礼を言うなんて、珍しいな。

珍しい以前に、何かが起こる前触れみたいに感じる。

私の女の勘は鋭いの…

だから今一度篠塚蓮に訊いてみよ。



「篠塚くん、何かあった?
さっきからずっと悲しそうな顔をしてるよ?」


「別に何もないよ!
たださ…いや、何でもない

くれぐれも悠真に宜しくな!!」


篠塚蓮は言いかけた言葉を呑み込み、座っているソファーを立つと、私の背中に腕を回し、優しく抱き締めてきた。

その瞬間…篠塚蓮の体の温もりがじわじわと伝わってくる。


すごく篠塚蓮の体が熱い。
熱くなったり、冷たくなったり………







今日の篠塚蓮…本当に変だよ。