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ゆずきがいない。ゆずきーーー

さっきまでここに座って、バスケの試合の観覧してたのに、一体どこに行っちゃったの…?

もしかして、私がさっき声を張り上げて、ゆずきって 名前を叫んだから、恥ずかしくなったのか、或いは怒っちゃったのかな??

そんな私の気持ちを他所に、"美莉亜ちゃん"と 私の名前を小声でそう呼ぶ何か見覚えのある声が聞こえる。

その声の主は、だんだん私の方へ接近してきた。


夏海先生!?
この少しトーンの高い声って、夏海先生だよね…?


私がそう思い、そっと後ろを振り返ると…



凄い至近距離で、下を俯いている夏海先生がいた。

一大決心をしたかのように、緊張している気持ちが十分伝わってくる。


何かあったのかな?
こういう時って、私がいくら苦手な人であっても………
進んで話を聞いてあげるべきだよね・・・