「ミリー!ミリーいるか?」


この声はリュウ?

リュウが私を助けに来てくれたんだ…

リュウが助けに来てくれて、私は嬉しいよ!

でも悠真が良かった!って少し期待してたから、そう思っちゃった私・・・


ごめんね、リュウ。



「ミリー大丈夫か?」


リュウが私達を見つけると、私達の居る方へ向かってきた。


篠塚蓮は、私の口を押さえてた手を離すとすぐさま立ち上がり、リュウに対抗した。



「何しに来たんだ?」


「俺がミリーを助けに来た!
担任の先生だって心配してたからな」


「そうか
君は深瀬とは違って、気の強い人みたいだな

まぁ、彼はどうやら怖じ気づいて逃げて行ったみたいだけど…」



篠塚蓮が開いている扉の隙間から廊下側を見ると、そうボソッと呟いた。



「深瀬が何かしたんですか?」


「それは彼に訊いたらどうだ?
まぁ一つ言えば、深瀬は大切な人を二人も裏切ったってことだ!」


「深瀬が関わっているのかは知らないけど、だからってミリーを傷つけるのは間違ってる」


「お前ごときのやつに、俺達の何が分かるって言うんだよ?」


「そんなの分かんねぇけど、ミリーをもう二度と巻き込むな」


「それはどうかな?
深瀬が彼女の前から姿を消すなら話が別だけど…

まぁ、それを望んでいる君からしたら嬉しいことだろうね…?」


「俺はそんなの望んでない
ミリーが幸せになってくれればそれでいいから」


「そういう友達ごっこするの止めたら?
辛くなるのは君だよ?君は勇者になりたかったんだろ?

俺は全て知っている
君の未来が見えているから」


「何でそれを知っているんだ?
勝手に俺の未来なんか語るな
ふざけんじゃねー」



怒り狂ったリュウは、篠塚蓮の頬を一発殴った。



殴ったらだめだよ、リュウ…



相手は若手俳優なんだよ?



篠塚蓮を殴って、顔に傷でもつけてしまったら………




そして私はいつの間にか意識を失った。