「あの、私に何か用ですか?」


私が篠塚くんに話し掛けると、篠塚くんはサングラスからちらっと顔を覗かせ、私に訊ねた。


「ちょっと話したいことがあるんだが、いいか?」


篠塚くんの口調からして、何だが嫌な気分に陥る。


「はい!何ですか?」


「深瀬のことなんだけどさ、今ここでは話せないんだ…」


悠真のことで、何か重要な話であることには違いない。


でもこれが篠塚蓮の罠だったとしたら…


三日前…



図書室で篠塚くんは悠真との戦いに負けた。

その時に決めた約束事として、″私に話し掛けたり好きになってはいけない″ と決めたはずなのに。




でも何で…?



篠塚蓮は、悠真との約束を破ったの?