「美莉亜、もう目開けていいよ？
恐い人じゃないみたい…」


私は悠真にそう言われ、うっすらと目を開けると…
教卓の椅子に座っている、黒スーツを身に纏った見知らぬ中年男性がいた。


「あの、あなたは誰ですか？」


私が即急に訊ねると、顔をしかめて
重たい口をゆっくりと開くその男性。



「お二人をお待ちしてました！
私はあなた達の未来を予言しに遥々参った次第です
あなた達はある人によって、引き離される運命でしょう

特にそのお隣の彼、あなたは気を付けた方がいい

それより早くこの学校から立ち去りなさい
今すぐ！今はここにいてはならぬ！

休みの日に学校に来ては絶対ならないよ
そのことだけ肝にめいじなさい」


「あなたは一体誰なんですか？
そんな理屈を言われても困ります」


「何も聞かず、早く学校から立ち去りなさい

さもなくば、あなた達に幸せな未来はない」


「おい、おっさん！勝手なこと言ってんじゃねーよ！
勝手に教室に足を踏み入れて、何がこの学校から立ち去れだって？

おっさんこそ、早くこの学校から立ち去れ！
俺達は学校の噂検証してんの！
まだ検証出来てねぇから、その話は呑み込めねぇ…」


「では…話を変えましょう
あなたは、彼女を守れますか？
幸せにすると誓えますか？」


「それは………」


「すぐには答えられないでしょう
あなたの過去のことは、見させてもらいました

彼女にあなたの過去を話していいのですか？」


「やめろ！あいつの話はするな」


「なら今すぐ学校から立ち去りなさい

今ならまだ間に合う！
彼女は深い傷を負うことはないから

私は、あなた達の味方です！！」



見知らぬ中年男性は声を籠らせ、私達の未来を全て見透かしたような口調で言った。


″あなた達の味方″ って、一体あなたは誰なの？



私…この人に会った覚えない。



未来を予言できる、占い師さん！？




でも占い師さんなんて、黒スーツ着ないよね・・・





それに悠真の過去って…







悠真は過去に何があったの？