「亜夢ちゃん。あいつ、亜夢ちゃんのこと待ってる。病院で必死に病気と戦って待ってるんだよ。病気が治ったら必ず亜夢に会いにいくんだって、そう言って待ってんだよ。」

「うぅっ、そ、ら............空に会いたいよぉ。」

「亜夢ちゃん。あいつに会って、お腹の子の事も教えてやってよ。今日の卒業式本当はあいつ、来ないつもりだったんだよ。でも、きっと亜夢ちゃん会いたくて来たんだと思う。だから昇降口で待ってたんだと思う。きっと今病院に戻ってると思うから。」

「璃玖くん、空の所に連れてって。」





璃玖くんは"わかった!"そう言ってあたしを立たせてくれた。





それから病院まで歩きどれくらいがたっただろうか。




あたしは"長谷川空人"と書かれた病室の名前を見て璃玖くんが言っていた事は全て本当なんだと思った。




コンコン.....




璃玖くんがノックをする。




「はい?」




すると、中から懐かしい愛しい人の声が聞こえた。




ガラガラガラ.........





音を立てて病室のドアが開く。





「入るぞ!」




そういう璃玖くんの後についてあたしも病室の中に入った。




あたしの大好きだった空は苦しそうな顔をしてベットに横になっていた。




涙が出そうになりあたしは俯いて唇を噛んだ。





あたしに気づいたのか、空があたしを呼ぶ。




「亜夢?」

「空。」

「どうして亜夢がここに。」

「どうして言ってくれなかったの?あたし、何も知らずに。ごめんね。空。」





そう言ってあたしは空にキスをした。