「ごめん。笑美から聞いたんだ。笑美は教え用としなかったけど、無理矢理聞いた。空人の子なんだろ?」
「そっか。知ってたんだね。そうだよ。空の子。でもお願い。空には言わないで..........」
「どうして?」
「空には幸せになってもらいたいから。」
「亜夢ちゃん。ごめん。俺ずっと言うなって空人に言われてきた事がある。」
「え?」
それはどう言う意味?
あたしにだけは言いたくなかった事?
「空人は今でも亜夢ちゃんの事が好きだよ。」
「え?でも、別れようって、もう好きじゃないって。」
「それはあいつの強がりだ。」
「強がり?どういう意味?」
「あいつ、高2の冬に癌だって医者に告げられたんだよ。でも、あいつ亜夢ちゃんの事が好きでどうすればいいかずっと迷ってた。余命は約一年だって言われて、決心したんだよ。あいつの悲しむ顔を見たくなってそう俺に言ってきた。だからもう少しだけあいつといたい。でもいつか別れなきゃって。そして、入院だって言われた次の日あいつは亜夢ちゃんと別れた。そしてその次の日から入院してたんだ。今も入院してる。」
「嘘だ......」
あたしは信じられなくて、そんな言葉を璃玖くんに投げ掛けたけど、
「本当なんだ。」
苦しそうに璃玖くんは言った。
その瞬間あたしはその場に崩れ落ち、涙を流した。
空。
どうして言ってくれなかったの。
あたし何も知らなくて、
空、ごめんね。空..........