卒業式が終わり最後のHRが始まった。
みんなが涙を流し先生の話を聞く。
今日も空は来ていなかったね。
空。
卒業おめでとう。
あたしは今日の卒業式と共に空から卒業するんだ。
空、今まで本当にありがとう。
たくさんの幸せをあたしにくれて、たくさんの笑顔をあたしに向けてくれてありがとう。
空は幸せだったかな?
少なくともあたしはとても幸せでした。
HRが終わり、笑美と一緒に昇降口を出る。
たくさんの卒業生が集まる中あたしは見つけたんだ。
璃玖くんと楽しそうに笑う空の姿を。
あたしは必死に空の元へは走った。
「あ、亜夢危ないよ!」
そう叫んだ笑美の声が聞こえないくらいに必死だったんだ。
「...........空。」
「.........亜夢。」
また亜夢って呼んでくれたね。
空。
あたし空にいいたい事たくさんあるんだよ。
全部言いきれるかわからないけど、聞いて欲しい。
「空、今までありがとう。あたしと出会ってくれて、あたしを好きだと言ってくれて、ありがと。あたしね、空に出会えてホントに良かった。後悔なんてしてないよ。幸せだったから!空、幸せになって!」
そういってあたしは満面の笑みを見せた。
走って逃げるあたしを追いかけて来たのは、空ではなく璃玖くんだった。
「亜夢ちゃん。」
「璃玖くん。どうして?」
「そのお腹。」
「え?」
「妊娠してるんだろ?」
どうして?