初恋なんてすぐ終わる。
当たり障りもなく散るのが初恋。



でも、小学6年生になると違う。
本当に僕も恋に落ちやすくなった。



雷が落ちるスゴく暴風の日。
隣の席のカナちゃんは怖がっていた。



黒板を見ててもピカッ!
と光るのが分かるぐらい。
その度にクラスはざわついた。




先生が『雷は君達には落ちないよ』
とか言って励ましてる。



授業が続く中、どデカい雷が落ちた。
ドッカーン!という爆音。
男子は喜び。女子は泣き叫ぶ。




僕もテンションが上がる方だった。
窓の外が見たくて立ち上がる。



ぐっ、



服が引っ張られてる。




カナちゃんが引っ張っていた。



この時に見事に好きになった。




カナちゃんは明るくて楽しい子。
クラスの皆と仲良くて
モテモテの女の子だった。



そんな子が僕に助けを求めてる?
...求められてる?
...僕が助けなきゃ?
...僕じゃなきゃダメじゃね?



あっという間にここまで
脳内ハッピー状態。



服を引っ張るカナちゃんに
『大丈夫!』どど〜ん。
下から見上げるカナちゃん。



捨てられた子猫みたいな顔。
気がつけばもう好きだった。