「…そっか」

一言君がつぶやく。
君は知ってはいけないんだ。

世の中の汚さを。
君は、無垢な清楚な王子でいなければいけないんだ。

私だけでいい。世の中の矛盾に苦しめられるのは。

「ごめんね。変な事聞いて。」

「いえ」

「じゃまた。」


王子は私の前から去っていった。