~side月谷龍~
「それから、私は記憶をなくしてしまったの」
正直戸惑っていた
こんなにも辛い思いだったとは思わなかった
「引いていいよ..私は姉を殺したんだから」
未来は精一杯の作り笑いをした
「未来...泣いてもいいぞ」
今の俺には何ができるかわからないけど、でも今の田島は誰かの支えが必要だとおもった
「泣いてもいい...つか泣け」
「なにそれ~笑笑」
ギュー
俺は強く抱き締めた
「教えてくれてありがとな...辛かっただろ
でも、もう大丈夫だ...俺が傍にいる
...お前が...未来が好きだ!!」
「グスッ...なによそれ~笑笑」
俺はもっと強く未来を抱き締めた
未来も手を俺の背中にまわしてくれた
...これが愛おしいという感情なんだろうな
そう実感した
ーーーーーーーーーーーーー
何時間かして、未来はやっと泣き止んだ
「クスクス...」
「なによー」
口を尖らせながらこっちを見てきた
ドキッ
「いや、べつにー笑笑」
その顔がかわいくてそっぽを向いた
「月谷」
「ん?」
未来はまっすぐ俺を見てきた
それにドキドキとしていた
なんだろ...まさかのさっきの返事か??
俺は振られるのか?!
「ありがとー」
「へ?!」
振られると思っていたら、まったく違う言葉がきた
「な...なによ!!
せっかく人がお礼いってるのに」
「いや...」
もしかして、照れてるのか??
可愛いなー
「クスクス」
そのかわいさに思わず笑ってしまった
「あ、また!!」
「なんでもねーよ
どういたしまして」
俺は、また未来を抱き締めた
「...うん」
それを受け入れて未来は俺に身体を預けてくれた