でも、迅さんはお構いなしに私を撫でた
そして、迅さんに抱き上げられたままみんながいる部屋を出ていった
そして、私たちはもうひとつの部屋に入った
そこは、さっきの部屋と違ってシンプルだった
「ここ好きにつかっていいからな。あと何かあったらすぐに言えよ...ここが、お前の居場所だ!」
涙が頬をつたったのがすぐにわかった
「ぐすっ...」
迅さんはただ黙って抱き締めてくるた
それからの私は毎日が幸せだった
みんなとも仲良くなって、そこが世界一の暴走族の黒龍とわかった
でも、それでも私はいいと思った
彼らは私に居場所をくれた。幸せをくれた
そして、迅さんたちは私に喧嘩を教えてくれるようになった
迅さんたちにはまだまだだがいつのまにか私は、次期総長とも言われていた
けど、私にはそれは興味がなかった
ただ、迅さんたちといられるだけでそれでよかった
でも、私の幸せは長くは続かなかっーーー・・・
それは、本当に突然訪れた
私は久しぶりに一人で外に出ていた
いつもは誰かが付き添っていたけど、今日はみんなが忙しそうにしていた
だから、私はこっそり出掛けた
「う~ん」
久しぶりだな
私がいるのは私が四、五歳くらいのときにお姉ちゃんとこっそり見つけた場所
そこは、小さな公園だった
あまり遊具などはないけれど、私と姉はそこで親にバレないように何度も遊んでいた
「...未来?」
...え?!
うつむいてた顔をあげるとそこには今さっきまで考えていた姉だった
「...お姉ちゃん...」
すごく気まずかった
「久しぶ...バッ」
私が言おうとしたら、姉に勢いよく抱き締められた
「未来!!」
く...苦しい
「お姉ちゃん!!」
お姉ちゃんは申し訳なさそうに離れた
「どうしてここに??
もう、体は大丈夫なの?!
お母さんたちきっと心配してるよ!!」
私に次々質問をされてお姉ちゃんは混乱していた