~side田島 未来~
ここどこ
まわりを見ても真っ暗だった
誰もいない一人
いや...いや!!!
「未来」
女の人の声がした
懐かしい...
ただそう思うだけだった
「誰?」
「私だよ未来」
だれ??
後ろから声がするけど、振り向けなかった
そしたら
ギュー
その女性は私を抱き締めてくれた
懐かしい
「う...」
その人の温もりから、涙が出てきた
《人殺し》
ドックン
その暖かい温もりに浸っていたら、頭に言葉が横切った
なんのことかわからないのに自然と体が震えてきた
《しかも忘れてるなんて》
ドクンドクンドクン
《やっぱりあなたたちは、仲のいい姉妹よねー》
...思い出した
いつか夢で見た近所のおばあちゃんがよく私たちに言ってくれてた言葉だ
「お...お姉ちゃん」
「やっと、思い出してくれたんだ」
私の頭を撫でるお姉ちゃん...すごく懐かしくて優しい手
「う...お姉ちゃん」
「ダメ!」
私がお姉ちゃんの方を向こうとしたら、優しい手も離れていった
「ごめんね未来...さようなら」
「待って!!
行かないで!
私が全て悪いの、だから行かないで!!」
バッ
...夢?
まわりを見てみるとそこは病室だった
「い...」
ガラガラ
ドアが開くおとがした
「...おはよう雪菜に月谷」
二人は、起きていたことを驚いていたけれど雪菜はわかっていたから冷静だった
「おはよう未来」
でも、ごめんなさい
「早速だけど...ここから出てって、一人にさして!!」
雪菜はわかってくれて、病室を出ていってくれた
「うっ...」
いや...お姉ちゃん
「ごめんなさい...ごめんなさい」
何分間たっても、涙は止まらなかった
バンッ
ビクッ
「未来!!」
「つ...月谷」
なんで...
「出てって」
でも、月谷は私に近づいてきた
やめて、これ以上私に近づかないで
「来ないで...来ないで!!」
来てほしくなくて、大声を出してしまった
ギュー
「無理するなよ」
月谷
でも、
バンッ
「一人で大丈夫だから...お願い一人にして」
これ以上、私に優しくしないで!
「お前が辛い思いをしたのは聞いた。別に俺は、同情とかしない...だけど俺は、お前が辛い思いをしているのなら俺は、それを救ってあげたいと思うんだ、守ってあげたいって思うんだ!!
だから、少しでもお前の悲しみを俺にわけてくれないか」
月谷はまた私を抱き締めてくれた
「う...月谷...あり...がと」
私はやっぱり弱い人間なんだ
どんなに強くなろうと思っても誰かを頼ってしまう