どうして?!
「...姫?」
男は驚いた表情でこっちを見て言った
そして、私の頭のなかには大きな疑問が浮かんだ
...姫????
「...あの、人違いだと思います」
私が言っても、男はまた無言になった
私ははやくここから立ち去りたいと思った
「...それじゃあ」
眼鏡を拾って、帰ろうとした
「...田島未来!」
!!!!
さっきの男にいきなり名前を呼ばれた
私が、振り向いたら男はやっぱりと言葉をはっした
「...姫こんなところにいたんですか」
また、男は私に近づいてそういった
...なに言ってるのこの人
「...誰?」
思いきって思っていた疑問を言ってみた
「なにいってるんですか笑笑
俺ですよ!」
いや、そんなこと言われても...
「黒龍幹部の笹木 隼人(ささき はやと)ですよ!」
...黒龍...
ドクンッ
私は、何故か知らないはずの言葉が私の頭を駆け回っていた
「久々に会えて嬉しいです!
いつの間にか倉庫にも来なくなったから、やめたのかと思ってましたよ!
でも、安心してください!
総長の座と黒龍は俺たち幹部がしっかり守っていますから
やっぱり、総長は姫でないと!!」
その男は、私が話の内容についてきてもいないのを知らないでぺらペらと喋っていた
黒龍...総長...??
頭では、ハテナばっか浮かんでくるのに、何故か心臓はまだドクンドクンと音をたてていた
「あれ、今日は香澄(かすみ)さんはいないんですね。いつも二人一緒で仲良しだなーと思ってたんですよ」
ドクンッ
笹木と名乗った男が言った香澄さんという名前を聞いて心臓がさらにとびはねた
そして、同時に私の中の忘れていた過去の記憶が思い出が掘り起こされそうな気がした
...か...すみ...
ドクンドクンドクンドクンドクン
「はぁはぁはぁはぁ」
息がしずらくなってきた
「姫大丈夫ですか?!
姫!!!」
視界が暗くなってきた
「...あれ?
田島、こんなところに...って。おい!!」
月谷の、声がしたのを最後に私は、意識を飛ばした
...香澄...お姉ちゃん