「未来!」


雪菜の声が聞こえたけど、無視して私は屋上を出た



私は、無我夢中で走った


「ハァ...ハァ」


いつの間にか息が切れていた


それでも、足は止まらなかった



そして、気づいたら一年とは逆の方向の中庭に、来ていた



「ハァ、ハァ、ハァ」



私は、足を止めて中庭にある木の下に行った



息を整えようとした



“記憶喪失”


その単語が頭から離れなかった


私って記憶喪失なの?


じゃあ、あの時々頭を通りすぎるような声は...


過去の記憶?


ドクッ


なぜか心臓が変な音をたてた


そして、私のなかに「怖い」っと言う感情が入ってきた



怖い、怖い怖い怖い怖い!!


「ハァ、ハァ、ハァ」

まだ、息も切れていて怖さもきて、私は自然と耳をふさいで、大きく深呼吸をした