~side月谷龍~

「あの子のこと、好きなの」


っと聞かれたけど、正直よくわからなかった
昨日のキスも、気がついたらしてたし...

だって、俺はずっと前からいるから


そう考えていたら、斉藤が変なことを言ってきた


「あの子には、幸せになってほしいのよ」


こいつは、何を言ってるんだ
俺は、そう思うしかなかった




俺の前には、確か斉藤ってた田島の友達がいた


「何言ってんのお前?
田島の幸せなんて、あいつが決めればいい話じゃねぇかよ」



そう言ったら、斉藤は悲しい顔をした


「あの子は幸せをつかもうとしないから...」



...本当に何を言ってるんだ


「意味、わかんねぇー
お前何言ってるんだよ!」



「全部は、教えてあげられないけど...
一言で言うと、あの子には過去がないの」


...過去がないって...誰でも過去があるのになんってんだ


...え!...まさか

「もう、わかったと思うけど、あの子には...未来には昔の記憶がないの、つまり記憶喪失なの...」


はぁ!?


ガタンッ


え...


唖然しながらも、音がした方を見たら、田島がいた

眼鏡越しでわからないけど、口元を手で押さえていた
それだけで、混乱しているとわかった


「未来!!?」


斉藤も田島を見て混乱していた