次の日。
学校に行くと、すれ違った先生に
「おぅ、お前元気になったか!!」
と言われた。
・・・へ??
私、サボりだったのに・・・。
だって、昨日の朝いろんな先生とすれ違ったのに授業に出なかったんだよ?
・・・サボりでしょ。
私は不思議な気持ちで教室に向かう。
そして、いつものメンバーに捕まった。
「おっはよぉ〜、萌香ちゃぁ〜ん!」
「・・・。」
「昨日、サボりだったのに、助かったわねぇ〜!!」
助かった??どーゆー・・・
「そうやってブスのくせにイケメン奪うところが気に食わないのよ!!」
「ミジンコ以下ならミジンコ以下のところで静かにしてなさいよ!!」
「えっ、その、どーゆー・・・」
「何とぼけてんの!?
あんた、水無月君に頼んだでしょ!?」
水無月君って、薫君??
頼んだって、何を頼んだの??
「まだとぼける気!?!?っ!!
あんたのそーゆーとこ、腹立つのよ!」
そう言って私の頬を叩こうとする。
そのとき。
「頼まれてないけど。」
彼女の動きが止まる。
「水無月君!!おはようございます!」
「挨拶なんて今どーでもいい。」
明らかに不機嫌そうな顔をしている薫君。
「昨日のことは俺が勝手にしたことだから。」
「っ!!なんでこんな汚い子を・・・」
「汚い子?それ、お前だろ。」
「っ!!」
そして、最後に薫君は振り返って私に言った。
「あんたも、言い返せば?」
「・・・はい。」
薫君は、教室に入って行った。
私も、あとを追って教室に入る。
そして、ずっと不思議に思っていたことを薫君に聞いた。
「薫君、さっきはありがと。
あとね、昨日のことって何のこと??」
「あんたがサボったの、いじめのせいかなって思ったから先生に体調不良で早退したって、言っといた。」
私の方を見らずに早口でそう言う薫君。
「そうだったんだ・・・。
・・・ありがと。」
薫君は返事をせず、チラリと一瞬だけ私を見て、ため息をついた。
「・・・あり得ないっつーの。」
何か小さい声で呟く。
「何って言った??」
私が聞き返すと、
「何でもね。」
そう言って席についた。