「あ、れ…?笹川先輩?」



近づいてきた足音と、自分の名前を呼ばれたことで顔を上げた。



いつも、葉月と一緒にいる女が目の前にいた。



「どうしてこんなところに?」


「葉月を…待ってるんだが…。まだ、教室か?」



俺の言葉を聞くと、首を傾げ、



「葉月なら…一番最初に教室を出ていきましたよ?」


「は……………………?」



この女の言うことが本当なら…葉月はどこにいる?