それでも。



「それでも、私は笹川先輩が好きです」



松島先輩の顔を見て、真剣に言った。



松島先輩は、顔を少し歪め、



「お前にっ、1年に和輝の何がわかるんだよ…。私はっ」


「――じゃあ、お前は。俺の小さい時を知ってるの?」



松島先輩の言葉を遮って…私の背を向けて立っているのは…笹川先輩だった。



「先輩…?」



大きな背中に小さく、問いかけた。