春の風って気持ちいいな。


新しい友達は、できるかな。


そんなことを考えて


横断歩道を渡り終えた


その時



「まーほ!!」


後ろから、あたしの名前を呼ぶ声がした。


びっくりして後ろを振り向くと



親友の結李が、駆け寄ってきた。


「あっ!! 結李ー」


「おはよう」


「おはよう」


「一緒に行こう?」


「うん」


結李とは、中学校からの仲で


なんでも知ってるつもりだ。


ふと、結李のスクバについていた


ストラップを見ると


ピンク色をした大きなハート型の


チャームに


ふわふわの白い羽が


映えていた。



「結李のストラップ、可愛いね」


気づけば、言葉にしていたあたし。


でも、結李は、優しく微笑んで


「ありがとう」っと呟くように言った。


その表情が、一瞬、曇ったように


見えたのは、気のせいだろうか。