ロイヤル・イーストに対する信頼を失わせた。




あの世界的ホテルへの致命傷を負わせた。





「でも一年経った今、凛はしっかりと信頼を取り戻している。だからこそ、大袈裟なんだけどなぁ…」





会議室が、一気に静かになる。




南雲の重鎮達は、彼女一人が与える影響力が怖いのだ。



いくら東雲が南雲に興味がないとはいえ、それが本当かどうかもわからない。


はい、そうですか。で頷けるほど、この世界は甘くはない。





「お待ちくださいっ!」

「離してっ!」

「ここから先はっ…!」

「父さんがいるんでしょうっ!?」




会議室の扉の向こうから聞こえる声。



「はぁ…」



俺は思わす、ため息が出た。