あの有名なホテル王だ、それなりの風貌でかつ、東雲トップ主義と思っていた。



でも実際はもの優しそうで、ニコニコしている。




「社長、あの方は…」

「私も少ししか話をしたことはないけれど、見た目の通りの人だよ」



結衣の父親ですら、そう思うのか。




「東雲さん、あんたは南雲を乗っ取りたいのか」

「いやいやいやいや!僕に南雲を乗っ取ろうだなんて、恐れ多いですよ!」

「大袈裟な」

「いや本当ですから!僕は生まれてこのかた、ホテル業界しかみていませんから南雲さんがやられている事業のことはさっぱり分野外ですし、なにより僕的には早く引退したいなぁ…って思ってるんですけどね!」

「…………」

「そしたら弟にふざけるなと言われ、息子達にも白い目でみられるんですよ!」

「…………」