「何度も言いますが、俺は結衣とその東雲の彼女とも特別親しく接していたわけではありません。あと彼女はまあ東雲の名でなければ申し分はないでしょう。白零でもトップ成績、南雲の嫁になっても恥じることは確実にないかと」



俺が返す言葉も、毎回同じだ。



東雲凛は白零女学院の出身ということもあり、もし南雲の嫁になったとしても、全てにおいて完璧にこなすだろう。


それと赤崎の一件もあり、彼女のおかげで南雲は救われたといっても過言ではない。



しかし、南雲と対立している東雲。

ただそれだけが問題なのだ。



「三割か…」


あと彼女が落とした爆弾ーーロイヤル・イーストの株。


東雲一族しか持つことのできない株の、三割。


それは南雲にとって甘い誘惑。