この家の奥にある、会議室。
そこに南雲一族の各界に名高る重鎮のみが参加できる、家族会。
「ーーーまだわからんのかっ!!」
会議室に入るなり、大きな怒鳴り声。
「あの東雲だぞ!!」
「しかしあの東雲でもありますぞ」
「学歴も申し分ないが…」
「父親よりはまだマシだろう」
「親子揃って南雲一族をなんと思ってるのか」
「赤崎よりはよかろうが」
「だからといって、東雲だからの」
同じ会話を丸二週間。
さすがにもう言うこともないのかと思うほど同じ会話で、一向にこの会議が終わる気配はない。
「茅野の息子、ようやく来たのか」
「お主はなぜ彼奴らを止めらなかったのだ」
「東雲の女はどういうやつなんだ」
…なぜか俺にまで、被害も及ぶ。