「父さんが言ってた、あっちは平行線のままだと」
「だろうな」
「俺もこの後呼ばれるらしい」
「迷惑かけてすまない」
「何を今更」
生まれた時から、俺の人生はこいつと共にあると言われ続けていた。
俺の父親が、結衣の父親に。
俺が、結衣に。
親友だった父親と同士が社長と専属秘書という関係があり、自分の子供も同じような関係にと、そう思われて生まれた俺と結衣。
残念ながら幼なじみでは歩けるど、父親同士のように親友呼べるまでは仲良くない。
ただ俺が結衣のことを、結衣が俺のことを理解している関係ではある。
そして結衣が大人になれば、俺はこいつの専属秘書になる。
生まれた時から決まってた人生だ。