「じゃあ帰る」

「おいおい、ちょっと待て!」

「何?」

「何じゃねえーし!結衣は大丈夫なのかよ!てか、お前と結衣の関係は!?」

「……聞いてないの?」

「普通聞くか!?」

「……一応名目は幼なじみで、いずれあいつの秘書になる予定」

「は?」

「だだそれだけだよ」



幼なじみ?

秘書っ!?




「ああ、それと。あいつは一応元気だよ。まあ、家から出してもらえないし、外部との接触は禁じられてるけど。あと当分すれば学校にも来れるんじゃない」

「は!?」

「じゃあ」




茅野はそう言って、そそくさとここを出て行く。




「茅野と結衣って、仲良く話したことあったか?」

「さぁ?」

「幼なじみらしいぞ」

「驚いた…」




僕達って実は、結衣のこと知らないことが多いのかもしれない。