「赤崎真衣がここに用はないだろ」

「忘れ物とか」

「そんなの捨てればいいだろ」

「…ひでぇな、お前」

「それに、ニュース見てないのか?」

「いや、見たけど…」




あのバレンタインの数日後。


誰も手を汚すことなく、赤崎グループは倒産した。



赤崎は闇金融に加担していた。

そして赤崎真衣の父親である赤崎社長は、闇金融の女と不倫。


ニュース一面で騒がれた。




「赤崎真衣…いや、赤崎グループが南雲や東雲、この学校に関わることはもうないだろう」




そりゃそうだろう。

南雲もこの件に関しては、心を撫でているに違いない。


もしあの場で婚約をしていたら。



凛ちゃんはこうなることをわかってたからこそ、あの赤崎社長に強気だったんた。