03 セフレ



そんなことを思い出して、
1人ため息をついていたとき、
コロコロと野球ボールがひとつ
転がってきた

…やな予感がする

スルーするわけにもいかず
ボールを拾う

1人の野球部が走ってきた

「わりぃ、さんきゅ」
「ん、」
「ありがとう、じゅり」

終始にやにやしてて
最後には笑顔なんて…

なんて反則なやつだよ。

そぅ、あいつ
今走ってきたのが、

まさと、君谷聡斗(きみやまさと)

とりあえず後ろ姿を見送る

こういう時に、好きなんだなって自覚する

あいつは、まさとさ
うちの好きな人
うちの元彼

そして今のうちらの関係は…

セフレ、だった