それなら今まで告白された中にいないタイプというのも頷ける。


顔とか性格なんじゃなくて、選ぶ基準がそもそも違う。
逆玉狙いとか。


「は?なにそれ」

「例えば、アラブの石油王の娘とか。まぁそこまでいかなくてもどこかのご令嬢様とか」


言ってて虚しくなる。


“そうだよ”なんて言われたら一貫の終わりだから。


「真面目な顔して佐藤も面白いこと言うな。俺そんなに理想高くないよ」

「………は?」


どの口が言う―――!!!

シラッとした顔で、とんでもないことを言う南君にあたしの口はあんぐり。


あのパーフェクト女子、春風さんをフっておきながら理想が高くないだなんて。


もしかして、本気でバカ?

はたまた天然?




佐藤 奈々(サトウナナ)
15歳。


そんな南君を好きになってしまった自分が、ものすごく切ないと感じた瞬間だった――…