―――… 「南君……」 お腹も充分に満たされた午後一の授業。 5月の穏やかでも暑い陽射しがガラスを通して教室を暖めている今、おじいちゃん先生の古典の朗読はもう子守唄。 連鎖反応の如くバタバタと周りのみんなが机に伏せていく中、あたしは思い切って南君に問いかけた。 「……ん-…何?」 南君は幸運なことに隣の席。 彼も夢への1歩手前だった様。 白眼になりかけた眼で、それでもあたしの言葉を無視せずに答えてくれた。