年越しは、勇太さんの家で、渚さんと太陽さんと、他のメンバーと、8人で過ごした。



昼頃、みんなが寝ている部屋を抜け出してベランダで煙草を吸っていると、太陽さんが起きてきた。



「太陽が眩しい。」


「なんだよ。俺が眩しいの?」


「あー、太陽さんはいつも眩しいですよ。」


「ははっ。お前かぁいいこと言うな。」


寝癖のついた頭をぽんぽんと撫でられた。




「よみは、まだあの男のこと忘れらんねーの?」


静かな落ちついた太陽さんの声が私は好きだ。


「忘れました。もう、全部。でもたまに、ちょっとだけ心が痛い。」


「そうか。……俺はそいつをぶちのめしてやりてぇけど、そんなことしたらよみは嫌だろ?」


整った細い眉をハの字にした太陽さんは、寝起きのせいもあるのか、いつもより話しやすい。


「太陽さんありがとう。太陽さんは優しいね。最初はもっと怖い人だと思ってた。」



「どういう意味だコラ。俺は見た目も中身も優しさでできてんだよ。」


「ふふ…」


「俺が心の痛いの取ってやろうか。お前がほんとにそうしたいなら、俺が助けてやる。」


頬を撫でられて、太陽さんを見た。


「俺の女になるか?よみ。」


1月1日。真昼間の太陽の下で、私たちはキスをした。