タバコ所持で補導された時も、父は迎えにすら来てくれなかった。


まる1晩交番でおまわりさんと過ごし、最後の方には同情された。



困り切ったおまわりさんに「親じゃなくても、最悪だれか大人の人ならいいから来てくれそうな人いない?」


そう言われて、最後に仕方なく青木先生を呼んだ。



電話して10分で来てくれた先生は、馬鹿野郎と私を怒鳴った。


「なにやってんだお前は!もっと早く電話してこいよ!」


そこかよ、って思ったけれど、親でもない、勤務時間外なのに来てくれた先生には申し訳なかった。


「ごめんなさい。もうしません。」

最後に、おまわりさんにタバコの箱を握り潰しゴミ箱に捨てるよう言われた。


何の儀式だよと笑いそうだったけれど、大人しく言われた通りにした。





帰り道、先生がラーメンを奢ってくれた。


「先生ごめんなさい。」

「よみ保健のテスト満点だったのにステーキ弁当まだ食わせてなかったからな。今日の分はステーキ弁当の代わりだ。もうやんなよ。」


デコピンされて、ちょっと本気で痛かった。